RoHS2指令(改正RoHS指令)
【この記事の要点】
- RoHS2指令とは: 欧州連合(EU)が定める、電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する最新の指令(改正RoHS指令)です。
- 追加された4つの物質: 従来の6物質(鉛、六価クロムなど)に加え、樹脂やゴムの柔軟剤として使われる「フタル酸エステル類(4物質)」が新たに禁止されました。
- NBKの対応体制: めっき工程における対象物質の非含有を厳格に管理し、chemSHERPA(ケムシェルパ)や各種非含有証明書を迅速に発行してサプライチェーンを支援します。
RoHS2指令とは?|追加された有害物質と最新の環境規制対応
部品の海外輸出や大手メーカーへの納入において、「図面通りの加工ができているか」と同等以上に厳しくチェックされるのが「最新の環境規制をクリアしているか」という点です。現在、世界的なスタンダードとなっているのが「RoHS2(ローズツー)指令」です。本記事では、従来のRoHS指令からの変更点と、めっき加工における確実な対応方法について解説します。
1. 旧RoHSから「RoHS2指令」への進化(10物質へ拡大)
2006年に施行された旧RoHS指令では、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムなどの「6物質」の使用が原則禁止されました。めっき業界においては、この時に「六価クロメート」から「三価クロメート」への大々的な切り替えが行われました。
その後、規制が強化されて施行されたのが「改正RoHS指令(通称:RoHS2指令)」です。最大の変化は、従来の6物質に加えて、新たに「フタル酸エステル類」と呼ばれる4つの物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)が規制対象に追加され、合計10物質の制限となったことです。フタル酸エステル類は、主にプラスチック(塩化ビニルなど)やゴムを柔らかくするための可塑剤として広く使われていた物質です。
2. めっき加工における「RoHS2対応」のポイント
追加されたフタル酸エステル類は樹脂向けの添加剤であるため、金属を扱うめっき工程において直接的に使用されるケースはほとんどありません。
しかし、だからといって「めっき屋だから関係ない」と放置することは許されません。めっき液の成分、洗浄剤、設備の塩ビ配管、さらには製品を梱包する包装資材(緩衝材やテープなど)に至るまで、意図しない工程からのフタル酸エステル類の移行・混入リスクを徹底的に排除・証明する管理体制が求められます。
3. 日本バレル工業の「確実な環境データ提出」体制
設計者様や購買担当者様にとっての最大の負担は、「取引先から環境データを期日までに集めきれるか」という点にあります。日本バレル工業(NBK)では、お客様のサプライチェーン管理を円滑にするため、以下の対応を徹底しています。
- chemSHERPA(ケムシェルパ)への迅速な対応: 最新のバージョンに基づいた化学物質の含有情報データの作成・提供に専任担当者が対応します。
- 非含有証明書・保証書の発行: 対象製品がRoHS2指令の10物質を含有していないことを証明する書類を速やかに発行いたします。
- 薬品メーカーとの連携: 使用する全てのめっき薬品・添加剤について、SDS(安全データシート)を取り寄せ、規制物質が含まれていないことを常に確認しています。
4. よくある質問(FAQ)
Q1. RoHS3(ローズスリー)指令というのもあるのですか?
A. EUの公式な名称として「RoHS3」というものは存在しません。フタル酸エステル類4物質の追加を定めた指令((EU)2015/863)を便宜上「RoHS3」と呼ぶ人もいますが、正しくはRoHS2指令(2011/65/EU)の一部改正であり、実務上は「RoHS指令(10物質対応)」と呼ぶのが一般的です。
Q2. 昔の図面に「有色クロメート」とありますが、RoHS2に対応できますか?
A. 有色クロメート(六価クロム)はRoHS指令で禁止されているため対応できません。環境規制をクリアしつつ同等以上の防錆力を持つ「三価クロメート」への仕様変更をご提案させていただきます。
Q3. 鉄や真鍮などの「素材」の環境データも証明してもらえますか?
A. 当社で発行できるのは「めっき皮膜(表面処理層)」に関する非含有証明です。ベースとなる母材(鉄、アルミ、真鍮など)の含有情報については、お客様から材料メーカー(鋼材問屋など)へミルシートや含有証明をご手配いただく必要があります。真鍮などには快削性を高めるために「鉛」が含まれている場合(適用除外用途)があるため注意が必要です。
Q4. ICP分析データ(精密分析データ)の提出は可能ですか?
A. はい。自動車メーカー様などで求められるめっき皮膜そのものの精密な成分分析が必要な場合は、外部の専門機関に依頼し、ICP発光分光分析などのデータ(有料となります)を取得・提出することが可能です。
Q5. REACH規則との違いは何ですか?
A. RoHS指令は「電気・電子機器」に絞って「特定の10物質」を禁止するものです。一方のREACH規則は「すべての化学物質」を対象とし、「非常に懸念される物質(SVHC)」が一定量含まれる場合に情報伝達を義務付ける、より包括的な規制です。当社はどちらの調査・報告にも対応しております。
環境規制のクリアと証明書発行は、安心のNBKへ
RoHS2指令をはじめとする環境規制は年々複雑化しており、含有調査の遅れは部品納期の致命的な遅延を招きます。日本バレル工業は、高品質な三価クロメート等の六価クロムフリー技術とともに、chemSHERPAをはじめとする迅速な環境データ対応で、お客様のサプライチェーンを強力にサポートします。
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