亜鉛鉄合金めっき
【この記事の要点】
- 亜鉛鉄合金めっきとは:主成分の亜鉛に、少量の「鉄(Fe)」を混ぜ合わせて析出させる高耐食な合金めっきです。
- 黒色外観の美しさ:黒色クロメート処理との相性が極めて良く、色ムラの少ない深く均一な黒色外観を安定して得ることができます。
- 優れたバランス:通常の亜鉛めっきよりも防錆力が高く、ジンロイ(亜鉛ニッケル)よりもコストを抑えられる、機能とコストのバランスに優れた処理です。
亜鉛鉄合金めっきとは?|黒色クロメートとの相性と耐食性
自動車部品などにおいて、通常の電気亜鉛めっきではクリアできない厳しい防錆スペックが求められる場合、異なる金属を混ぜ合わせる「合金めっき」が選択されます。その中で、亜鉛に0.3〜1.0%程度の微量な「鉄」を共析(きょうせき)させたものが「亜鉛鉄合金めっき」です。耐食性の向上はもちろんのこと、このめっきの最大の特長は「黒色処理(黒色クロメート)」を施した際の圧倒的な美しさと均一性にあります。本記事では、その特性と他のめっきとの比較について解説します。
1. 深みのある黒色を生むメカニズムと高い耐食性
通常の亜鉛めっきに黒色クロメートを施す(三価ブラック等)と、製品の形状や膜厚のバラツキによって、どうしても若干の干渉色(虹色のムラ)が出たり、色味が安定しないことがあります。
しかし、亜鉛鉄合金めっき皮膜の中にはあらかじめ「鉄」が含まれています。この皮膜中の鉄成分がクロメート液と化学反応を起こすことで、より強固で分厚い黒色化成皮膜を形成することができます。結果として、ムラのない漆黒(深い黒色)を安定して得ることができるため、エンジンルーム内や外装の黒色ボルトなど、外観の均一性が厳しく問われる自動車部品で重宝されています。
また、防錆力(耐食性)においても、鉄が合金化されていることで亜鉛の自己消耗(白錆の発生)が遅くなり、通常の亜鉛めっきの数倍に達する塩水噴霧試験時間をクリアすることが可能です。
2. よくある質問(FAQ)
Q1. ジンロイ(亜鉛ニッケル合金)との違いは何ですか?
A. 防錆力(耐食性や熱への強さ)はジンロイの方が優れています。一方で、亜鉛鉄合金はジンロイよりもめっき液の管理がしやすく、高価なニッケルを使用しないため加工コストを安く抑えられるというメリットがあります。
Q2. 三価ブラック(亜鉛めっき+三価黒色)との違いは何ですか?
A. 三価ブラックよりも防錆力が高く、黒色外観の色ムラが少なく均一に仕上がります。ただし、合金めっきである分、加工コストは高くなります。
Q3. 黒色以外のクロメート処理も可能ですか?
A. 可能です。銀白色(光沢)のクロメート処理などを行うこともでき、黒色と同等に高い耐食性を発揮します。
Q4. 環境規制(RoHS指令)には対応していますか?
A. めっき後の黒色クロメート処理に「三価クロム」を使用したものであれば、六価クロムを含有していないためRoHS指令等の環境規制に完全に対応しています。
Q5. めっき皮膜の硬さはどうですか?
A. 鉄が共析しているため、通常の純亜鉛めっきよりも皮膜が硬く、組み立て時の傷(打痕)がつきにくいという機械的なメリットもあります。
黒色めっきの外観や耐食性でお悩みの方へ
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