SVHC(高懸念物質)
【この記事の要点】
- SVHC(高懸念物質)とは:REACH規則において、人体や環境に重大な悪影響を及ぼす懸念があると指定された化学物質です。
- 半年に一度の更新:対象物質のリストは年2回更新されるため、企業は常に最新リストをトラッキングし含有を確認する義務があります。
- コンプライアンス管理:薬品に意図せず混入しないよう、めっき加工業者には絶え間ない情報更新と厳格な管理体制が求められます。
SVHC(高懸念物質)とは?|REACH規則における絶え間ない環境対応
部品の環境規制への対応において、RoHS指令の対象物質をクリアしていれば完璧というわけではありません。欧州に輸出される製品には、より広範で厳格な「REACH(リーチ)規則」が適用され、サプライチェーン全体で徹底的な管理・報告が求められるのが「SVHC(高懸念物質)」です。最大の特徴は「半年に一度リストが追加・更新される」点にあり、過去の調査で問題なかった部品でも常に最新のリストと照合し続ける必要があります。この終わりのない化学物質管理は、信頼できる加工業者の選定が重要になります。
1. 「SVHC」に指定される物質と法的義務
SVHC(Substances of Very High Concern)は、発がん性、変異原性、生殖毒性を持つ物質(CMR物質)や、自然界で分解されにくく生物の体内に蓄積しやすい物質(PBT/vPvB物質)などから、欧州化学品庁(ECHA)によって特定されます。
めっきされた部品などの製品(成形品)の中に、SVHCに指定された物質が「0.1重量%(1,000ppm)を超えて含有されている場合」、EU域内の顧客への情報伝達や、ECHAへの届け出(SCIPデータベースへの登録など)といった重い法的義務が発生します。指定物質は現在200物質を優に超えており、常に「最新の〇〇次リストに対して非含有である」という証明が企業には求められます。
2. よくある質問(FAQ)
- Q1. RoHS指令とSVHCの違いは何ですか?
- A. RoHS指令は電気・電子機器を対象とし、特定物質の使用を「原則禁止」するものです。一方、REACH規則のSVHCはすべての製品が対象であり、現在のところ「使用禁止」ではなく「一定濃度を超えた場合の情報伝達・届け出義務」を課すものです。
- Q2. 含有の基準となる濃度はどれくらいですか?
- A. 成形品(製品全体)の重量に対して、SVHCが0.1重量%(1,000ppm)を超えて含まれている場合に義務が発生します。
- Q3. 過去に取得した非含有証明書は使い回せますか?
- A. 使い回せません。対象物質のリストが年2回(通常1月と7月頃)更新されるため、常に「最新の〇〇次リストに対して非含有である」という新たな証明を取り直す必要があります。
- Q4. 非含有証明書は依頼すればすぐに出せますか?
- A. 薬品の成分と最新リストを常時照合・管理している加工業者であれば、迅速な発行が可能です。管理体制が不十分な業者だと、その都度薬品メーカーへ問い合わせるため数週間かかることもあります。
- Q5. もし部品にSVHCが含まれていた場合はどうなりますか?
- A. 直ちに使用できなくなるわけではありませんが、サプライチェーンを通じて顧客へ含有情報を伝達する義務が生じます。また、将来的に「認可対象物質(使用制限)」へ移行する可能性が高いため、代替技術への切り替えが強く求められます。
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