chemSHERPA(ケムシェルパ)

【この記事の要点】

  • chemSHERPA(ケムシェルパ)とは:製品に含まれる化学物質情報を、サプライチェーン全体で正確かつ効率的に伝達するための「標準データフォーマット」です。
  • 統一のメリット:企業ごとにバラバラだったエクセル等の調査書式が統一されるため、情報の収集とシステムへの取り込み負担が大幅に軽減されます。
  • 業者の対応力:RoHSやREACH等への迅速な対応と、正確なデータ作成能力が加工業者選定の重要な基準となります。

chemSHERPA(ケムシェルパ)とは?|環境データ伝達の標準フォーマット

部品に有害な化学物質が含まれていないかを確認する環境調査業務において、複数の企業からバラバラの書式でデータが集まることは、購買・調達担当者にとって膨大な負担となっていました。この問題を解決し、業界全体が共通のルールで化学物質情報をリレーしていく仕組みが「chemSHERPA(ケムシェルパ)」です。サプライチェーンの中継点となるめっき業者などの加工業者には、このツールを用いた正確かつ迅速なデータ提出が求められます。

1. サプライチェーンを繋ぐ「共通言語」

chemSHERPAは、経済産業省主導のもと開発された、製品含有化学物質情報を伝達するためのITツールです。RoHS指令やREACH規則などの国際的な環境規制に対応するため、製品に「どのような化学物質が」「どこに」「どれだけ」含まれているかを一元的に報告・管理します。

従来は「JAMP AIS」や「JGPSSI」といった異なるフォーマットが乱立していましたが、現在はchemSHERPAへの統合が進んでいます。上流の素材メーカーから、めっきなどの表面処理業者、そして最終製品の組立メーカーへと、「全員が同じルールと書式(共通言語)」でデータをリレーしていくことで、情報の欠落や誤入力を防ぎ、コンプライアンスの遵守を確実なものにします。

2. めっき加工におけるデータ作成の重要性

めっき加工は、製品の最表面に化学物質(金属皮膜)を付加する工程であるため、環境調査において非常に重要なウェイトを占めます。正しいchemSHERPAデータを作成するためには、めっき業者が使用している各種薬品(めっき液、前処理剤、防錆油など)の成分を正確に把握しておく必要があります。薬品メーカーから最新のSDS(安全データシート)を取り寄せ、規制対象物質が含まれていないかを常時チェックする厳格な管理体制が、スムーズなデータ伝達の基盤となります。

3. よくある質問(FAQ)

Q1. chemSHERPA-CIとAIの違いは何ですか?
A. chemSHERPA-CIはめっき液や塗料などの「化学品」の情報を伝えるツールであり、chemSHERPA-AIはめっきされたネジや電子部品などの「成形品」の情報を伝えるツールです。部品の加工をご依頼の際は、主に「AI」でのデータが提供されます。
Q2. 独自の調査フォーマットにも対応してもらえますか?
A. 基本的な含有化学物質データが管理されていれば、自動車メーカー様などが指定する独自の環境調査書式や、エクセル等への転記対応も一般的に可能です。
Q3. 成分データはどこから持ってくるのですか?
A. 加工業者が薬品メーカーから最新のSDS(安全データシート)を取り寄せ、使用している薬品の構成成分と規制物質リストを照合してデータを作成します。
Q4. データは依頼すればいつでもすぐに出せますか?
A. 依頼先の加工業者の管理体制に大きく依存します。環境管理の専任担当者や最新バージョンのITツールを運用している企業であれば、数日〜1週間程度で迅速に提出されます。
Q5. めっき屋さんから母材(鉄など)のデータももらえますか?
A. いいえ。めっき業者が作成するのは「表面に付加した皮膜」に関するデータのみです。母材のデータは材料を仕入れたルート(鋼材問屋など)から入手し、最終的に統合する必要があります。

環境データの提出や対応遅れでお悩みの方へ

「取引先からchemSHERPAデータの提出が遅くて困っている」「独自の環境書式に対応してほしい」とお困りでしたら、ぜひ日本バレル工業に相談してください。部品全体の環境データの作り方やサプライチェーンにおける情報の取りまとめなど、購買担当者様の負担を軽減するための最適な解決策を一緒に考えご提案いたします。常に最新の規制動向を把握し、スムーズで安心できる部品調達とコンプライアンス遵守を全力でサポートいたします。

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