RoHS指令 / REACH規則

【この記事の要点】

  • RoHS・REACHとは: 欧州(EU)を発端とする厳しい化学物質規制。製品に有害物質が含まれていないことを証明できなければ、市場への出荷ができません。
  • めっきの要注意物質: 過去に広く使われていた「六価クロム(防錆)」や「鉛(はんだ付け性向上)」などが主要な規制対象です。
  • NBKの対応体制: 「三価クロメート」や「鉛フリー錫めっき」への完全移行はもちろん、chemSHERPA(ケムシェルパ)等の各種環境データ提出に迅速に対応します。

RoHS指令 / REACH規則とは?|めっきの環境規制と最新の対応状況

製品のグローバル化に伴い、設計・購買担当者様にとって「図面通りのスペック」以上に重要となっているのが「最新の環境規制をクリアしているか」という点です。どれほど優れためっきでも、規制物質が含まれていれば製品を出荷できず、甚大なリコール問題に発展します。本記事では、めっき加工において特に注意すべき「RoHS指令」「REACH規則」の基礎と、日本バレル工業(NBK)の対応体制について解説します。

1. RoHS指令とREACH規則の違い

どちらもEU(欧州連合)の規制ですが、対象となる範囲や考え方が異なります。

名称 規制の概要と特徴 めっきへの主な影響
RoHS指令
(ローズ指令)
電気・電子機器を対象に、特定の有害物質(鉛、カドミウム、六価クロムなど全10物質群)の使用を原則禁止する規制。 六価クロメート処理の廃止、鉛含有はんだ・鉛含有めっきの禁止。
REACH規則
(リーチ規則)
すべての化学物質を対象とした包括的な規制。高懸念物質(SVHC)が一定量以上含まれる場合、情報伝達や届出の義務が発生する。 SVHCリストは半年ごとに更新されるため、含有化学物質の継続的な追跡と証明が求められる。

2. めっき加工で代替された「要注意物質」

過去、めっき業界では性能を上げるために規制物質が使われていましたが、現在では安全な代替技術への移行が完了しています。

  • 六価クロム → 【三価クロメートへ移行】: 亜鉛めっきの防錆力を高める「六価クロメート(黄色・黒色など)」はRoHS指令で禁止されました。現在は、環境負荷のない「三価クロメート(三価ホワイト・三価ブラック等)」にて同等以上の耐食性を実現しています。
  • 鉛(有害物質) → 【鉛フリー錫めっきへ移行】: ウィスカ(ショートの原因)を防ぎ、はんだ付け性を良くするために錫に鉛を混ぜていましたが、これも禁止されました。現在は「純錫(鉛フリー)めっき」と下地処理の工夫で対応しています。

3. 日本バレル工業の「証明書・データ提出」体制

「規制物質を使っていない」と言うだけでは取引は成立しません。当社では、お客様のサプライチェーン管理をスムーズにするため、以下の環境データ提出に迅速に対応しています。

  • 非含有証明書・保証書の発行: 対象製品にRoHS規制物質が含まれていないことを証明する書類を発行します。
  • chemSHERPA(ケムシェルパ)対応: 製品に含有される化学物質情報をサプライチェーン全体で伝達するための標準フォーマット(chemSHERPA-AIなど)の作成・提供に対応しています。
  • 定期的な水質・液分析: 加工液や排水の厳格な自社分析を行い、意図しない不純物の混入リスクを徹底的に排除しています。

4. よくある質問(FAQ)

Q1. 昔の図面に「六価クロメート」と指定があるのですが?

A. そのまま加工すると環境規制違反となる可能性があります。当社から「三価クロメート」など、規制に準拠した現行の代替仕様をご提案し、変更のお願いをさせていただきます。

Q2. REACH規則のSVHC(高懸念物質)の追加更新には対応していますか?

A. はい。SVHCリストは定期的に追加・更新されますが、薬品メーカーと密に連携し、使用するめっき液や添加剤に該当物質が含まれていないかを常にトレースしております。

Q3. chemSHERPAのデータ作成にはどれくらい日数がかかりますか?

A. 製品の構成やめっき仕様によりますが、専任の担当者が迅速に対応し、できる限りお客様の希望納期に沿ってデータを作成・提出いたします。

Q4. ICPデータ(精密分析データ)の提出は可能ですか?

A. はい。めっき皮膜そのものの精密な成分分析が必要な場合は、外部の分析機関に依頼し、ICP発光分光分析などのデータ(有料となる場合があります)を取得・提出することが可能です。

Q5. めっき以外の素材(鉄や真鍮)の環境データも出してもらえますか?

A. めっき加工(表面処理層)に関する環境データは当社で作成しますが、母材(鉄やアルミなど)のデータについては、お客様から材料メーカー様へミルシートや含有情報をご手配いただく必要がございます。

「環境規制クリア」を前提とした表面処理をご提案します

環境規制は年々厳しさを増しており、含有情報の提出遅れは製品リリースの致命的な遅延を招きます。日本バレル工業は、確かなめっき技術とともに、chemSHERPAをはじめとする迅速な環境データ対応で、お客様の円滑なサプライチェーン管理をサポートいたします。

環境データ・仕様変更(三価化等)のご相談はこちら
目次