バレルめっき
【この記事の要点】
- 圧倒的なコストパフォーマンス: 大量の部品を一括処理するため、個別の治具が必要なラックめっきに比べ大幅な単価抑制が可能。
- 大量生産に最適: ボルト、ナット、端子などの小物・精密部品の大量加工において最も効率的な手法。
- 適応サイズ: 一般的に数ミリ〜15cm程度の小物が主流。大型品はラックめっきの検討が必要。
バレルめっきとは?|コスト・サイズ・メリットをプロが解説
製品の設計や購買を担当される際、避けて通れないのが「加工コストの最適化」です。特に小物の表面処理において、最も一般的かつ費用対効果が高い手法が「バレルめっき」です。本記事では、バレルめっきの仕組みから、ラックめっきとのコスト差、発注前に知っておくべき制限事項までを詳しく解説します。
1. バレルめっきの仕組みと最大の特徴
バレルめっきとは、多数の穴が開いた回転籠(バレル)の中に製品を投入し、電解液中で回転させながらめっきを施す工法です。製品同士が接触し合い、転動しながらめっき液と接触するため、複雑な形状でも均一に近い被膜を得ることができます。
最大の特徴は、「一つひとつの部品を手作業で治具にかける必要がない」点にあります。この工程の自動化・簡略化が、驚異的なコストメリットを生み出します。
2. ラックめっきとの比較:なぜ安くなるのか?
「ラックめっき(静止めっき)」との最大の違いは、人件費と設備効率です。
| 比較項目 | バレルめっき | ラックめっき |
|---|---|---|
| 加工単価 | 圧倒的に安価 | 比較的高価 |
| 作業工程 | 投入・取り出しのみ(自動化) | 一点ずつ手作業で治具に固定 |
| 適合形状 | 小物・大量生産品(ネジ、端子等) | 大型品・デリケートな精密部品 |
3. 加工可能なサイズ上限と注意点
バレルめっきは万能ではありません。発注前に以下のサイズ・形状条件をご確認ください。
- サイズ上限: 一般的に、バレルの穴径より大きく、回転を妨げないサイズ(長辺150mm程度まで)が最適です。それ以上のサイズになると、製品同士が重なり合って「めっき未着」が発生するリスクが高まります。
- 形状の制約: 重なり合いやすい板状の部品(吸着現象)や、バレルの穴に詰まりやすい極小ピンなどは工夫が必要です。
- 打痕のリスク: 回転させるため、製品同士がぶつかり合い、微細な打痕がつく可能性があります。鏡面仕上げを要する外装品は注意が必要です。
4. よくある質問(FAQ)
Q1. バレルめっきは膜厚がバラつきやすいと聞きましたが?
A. 確かに一点固定のラック式に比べると分布は広くなりますが、日本バレル工業ではバレルの回転速度や電流値の精密な制御により、JIS規格等に準拠した安定した膜厚管理を行っています。
Q2. 最小でどれくらいのサイズの部品まで加工できますか?
A. バレルの網目(メッシュ)を調整することで、数ミリ単位の極小ネジやピンの加工も可能です。まずは図面にてご相談ください。
Q3. バレルめっきで傷がつくのを防ぐ方法はありますか?
A. 回転数を落とす、あるいはクッション材となるダミーボールを混入させるなどのノウハウがあります。品質要求レベルに合わせて最適な条件をご提案します。
Q4. 納期はラックめっきに比べてどうですか?
A. 一括で大量に処理できるため、数万点単位のオーダーでも短納期で対応可能です。工程がシンプルな分、リードタイムの短縮に寄与します。
Q5. コストを抑えるための設計のコツはありますか?
A. 「袋穴」を避ける、あるいは液抜けを良くする貫通穴を設けることで、処理時間の短縮と歩留まり向上が図れ、結果的にコストダウンに繋がります。
「この部品、バレルでいける?」とお悩みの方へ
創業70年の経験を持つ日本バレル工業は、その名の通り「バレルめっき」のスペシャリストです。試作から量産まで、コストと品質の最適解をご提示します。
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